キオクノカオリ 思い出の香りを宿す、新しいフラワーギフトを想像するプロジェクト。 記憶と香りデータをマッチングするテクノロジー

初めて手をつないだ真夏の海岸線、 付き合った頃、いつも待ち合わせていた喫茶店、 永遠の愛を誓いあった教会。 そんな思い出のワンシーンに漂う香り成分を、 写真や記念品をたよりに分析。 その香りにシンクロする花を見つけます。 11月22日、いい夫婦の日。 この記念スべき日に、 思い出の香りを宿した花束を、 あなたも大切な人に プレゼントしませんか?

プロジェクトの背景

ギフトの定番として、世界中で愛されているフラワーギフト。しかし、1世帯あたりの年間の切り花購入額が年々低下していることなど、日本では花き市場全体の売上が徐々に下がっています。

そこで、最近フラワーギフトを贈っていない方でも気軽に花をプレゼントする機会を、花き市場全体として創り出したいと考えました。

切り花の1世帯あたり年間購入額推移
年間購入額の推移
出展:農林水産省 花きの現状について(平成29年7月)内、総務省統計局「家計調査年報」二人以上の全世帯 から引用

■ 新しいフラワーギフトの創造へチャレンジ

本プロジェクトは、フラワーギフトへ新しい風を吹き込むことを目標に、 生花店「les mille feuilles de liberte(レ ミルフォイユ ドゥ リベルテ)」と 東京都中央卸売市場大田市場花き部「大田花き」の共同プロジェクトで 新しいフラワーギフトの創造へ挑戦します。

■les mille feuilles de liberte(レ ミルフォイユ ドゥ リベルテ)

東京の丸の内「新丸の内ビルディング」、 六本木「東京ミッドタウン」をはじめ、 日本のカルチャーの発信拠点を中心に 株式会社リベルテが19店舗運営する生花店。

■ 株式会社大田花き

日本一の取り扱い規模を誇り、 決定価格が日本全国の花き市場の指標となっている 「東京都中央卸売市場大田市場花き部」の卸売会社。

ロゴ

香りと記憶の関係について

ヒトが香りを心地よく感じるかどうかは、香りそのものの強弱より、 そこから想起される過去の体験が大きく関係しています。

例えば、日本人にとって、納豆は食欲を増幅させる香りですが、 日本人以外にとっては、嫌な香りでしかありません。

しかし、これまでの香り測定器は、香りの強さ・弱さを単純に測るものが多く、 過去の体験と紐付けた本当の意味で心地よい香りかどうかを判定することはできませんでした。

今回のプロジェクトは、そういった学術的な意味でも重要な試みであると言えます。

同じニオイでも文化や経験、つまり記憶に大きく左右される

記憶と香りのマッチング手順

 思い出の品物から漂う香りを分析し、数値化されたデータを抽出します。 さらに、室内外、水辺、自然、街中など その時の思い出の写真の風景を頼りに導き出した エリアごとの香りを補強データとして活用。

 それらを合算したデータを元に、事前にボックス内のプログラムに花の香りを数値化し、 蓄積したデータベースの中から、最も類似した香りの花をマッチング。 それぞれの思い出を宿したオリジナルのフラワーギフトとして提供します。

ボックスの仕組み

■ キヲクノカヲリプロジェクト・香りセンサー

プロジェクトでは、新しく装置を開発。 香りセンサーとして一般的なガスセンサーと、 分子レベルで多様な香り物質を計測できる 「水晶振動子」を組み合わせています。

■ 水晶振動子を利用した感応膜

香り成分を薄い膜(感応膜)として水晶振動子に付着させることができる 「感応膜生成装置」を開発。 6つの成分を各水晶振動子に付着させることで、 詳細な香りデータを取得できます。

■ チャレンジを可能にする産学連携

新たなフラワーギフト創造へのチャレンジを可能にするために、データ分析の第一人者「長崎大学 一藤 裕 准教授」と産学連携による開発体制を構築しました。

■ 香りに特化したAI「Fragrance2Vec」の開発により実現した「iinioi AI」

単語をベクトル表現化するWord2Vecにより、AIの言語処理は急速に発展していきました。 本プロジェクトでは、香りをベクトル表現化する「Fragrance2Vec」を新たに開発。 この「Fragrance2Vec」を中心に連携が難しいといわれる「香りAI」「言語AI」ふたつのAIをオーガナイズすることに成功。 そのことによって、香りという相対評価がない物質を、過去の体験と紐付けた人間の嗅覚へ近づけることができました。

■ 「Fragrance2Vec」を研究した論文がIEEEで採択。

2017年12月からアメリカ・ボストンで行われる米国電気電子学会の「IEEE BDTL2017(Big Data Transfer Learning)にて「Fragrance2Vec」を含めた「香りデータの機械学習によるレコメンドシステムの研究開発」をテーマとした論文を一藤 裕 准教授が投稿しました。その論文が採択され、ボストンで発表する予定です。